本紙でも10月18日に報じたように、「ウェッジホールディングス」(2388。JQ)の子会社で、タイに上場しているオートバイのローン販売会社「グループリース(GL)」(バンコク)の元CEO(10月16日辞任)でもある此下益司氏(冒頭写真)がタイ証券取引所から偽計及び不正行為の可能性を指摘された件だが、現在、捜査が続いているなか、ウェッジHDは、GLの財務諸表につき「無限定適正意見」を出していた監査法人から一転、「意見不表明」への修正監査報告書を受領したと10月27日にIRした。 これにはなおさら、親会社たるウェッジHDはむろん、同社同様、此下氏が率いるAPFグループ傘下にある「昭和ホールディングス」(5103。東証2部)、さらにGLに投資している「Jトラスト」(8508。東証2部)など関係者の間で波紋を呼んでいるようだ。
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<ミニ情報>「ウェッジHD」のタイ上場子会社ーー元CEOへの捜査続く中、監査法人が「意見不表明」へ修正
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<新連載>「AJアラート」発令(第1回)「JR東日本」「キリンHD」「三菱UFJフィナンシャル」
この新連載では本紙独自のネットワークで入手した情報を元に分析し、上場企業それも主に大企業を対象に、「財務諸表から見えないリスク」の観点から、[ポシティブ](投資して安心)、[ニュートラル](?)、[ネガティブ](投資に不安)に3分類し、注目すべき各1社=計3社を適時、取り上げていきます。 この「AJアラート」発令の狙いについては、すでに<予告>を出し、そのなかで詳しく説明していますので、そちらを是非ご覧下さい。 なお、[ネガティブ]はむろんですが、[ニュートラル]も今後の変化次第では容易に[ネガティブ]指定になり得ます。また、企業も“生き物”ですから、今回は[ネガティブ]でも今後の状況次第では[ポシティブ]指定にもなり得ます。当然、逆に[ポシティブ]に指定した企業が一転、[ネガティブ]になることもあります。 したがって、1度取り上げても、その変化次第でほどなく再度、同じ企業を取り上げることもあります。[ポシティブ]「JR東日本」(9022。東証1部) いうまでもなく鉄道最大手。そのJR東日本の最大労働組合「東日本旅客鉄道労働組合(JR東労組)」が、ストライキ権確立の意思を問う全組合員投票を行い、8割以上の賛成を得て実質上の「スト権確立」をしたのは今年4月のこと。 なぜか、大手マスコミではほとんど報じられていない。また、一部報道では、「旧国鉄時代に逆戻りする」「ストをされたら大迷惑」などとマイマス評価が目立つ。 しかしながら、海外の先進国に目を転じた場合、この10月10日、フランスでは大幅人員削減に反対して公務員約40万人がストを決行。対象は政府省庁は元より学校、病院、空港などにも及ぶなど、多くがスト権を持っている。英国もそうで10月5日、列車に乗り込む保安担当者を廃止し運転士のみで運行する計画に反対し英国全域で同週2度目の24時間ストを実施している。 ましてJR東日本の場合、30年も前に分割民営化されているから、そもそもスト権確立といっても国やJR東日本の許可を得る必要などない。「組合員の8割もが賛成しストライキをいつでもやれるように意思表示したことに意味がある。国連が15年の総会で採択したSDGsのなかでも、“労働組合は社会的対話の担い手として、集団的労使関係を通じた適正な労働条件の確保を始め、労働者の権利確立・人権・環境などを求める取組を通じ、ディンセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現に重大な貢献を果たすことが期待される”と述べており、公共機関の働き手とて当然の権利で、この目的に合致します。経団連すら今年10月、加盟企業にこの企業理念を取り入れる方針を固めたんです」(某労組幹部) それにも拘わらず、「国労時代に逆戻り」などと批判するのは世界の趨勢から外れているし、会社側に一方的に与する考えといわざるを得ない。
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≪連載(58回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(11月6日〜11月10日)&MY注目銘柄
■プロフィール 投資歴18年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫ 先週木曜日の日経平均株価の終値は22,539円と、先々週が+550円の上昇で、先週が+501円とまたしても大幅な上昇で引け、土曜朝の日経平均CFDを確認すると22,582円となっている。先週は、経済指標がでるたびに、何度も一時的な急落をみせた日経平均ではあったものの、すぐさま押し目を買う投資家の買いに支えられてすぐに急落前に戻り、そこからはジリ高を繰り返した。この結果、2017年10月の日経平均株価は19勝2敗、月間で1655円の上昇とまさにバブル相場の様相だ。―――これらはすべて、現在発表されている企業決算が良好で、「通期でもこの勢いを持続する」予想だから、に尽きるようだ。 みずほ証券の集計では、10月31日までに決算発表を終えた41%の企業の上期営業利益は、前年同期比+15%、通期予想は+11%予想。時事通信社が2日までに決算発表した企業604社(金融を除く)の集計でも、売上高が上期前年同期比で+9.4%、上期前年同期比で経常利益は+27.2%となっており、大幅な増収増益となっている。これらは、好調な世界経済や円安を背景に、国際競争力の高い輸出企業の業績が拡大している、との説明だ。現在の各社の平均為替レート(横写真)は1ドル111円に若干切り上がっているものの、今後円安が進めば通期予想はまた上振れるだろう。それを先取りするかのように日経新聞の集計によると、2017年度の上場企業の純利益は前年比+18.8%と、新興国企業並みに伸びる予測だという。この結果、11月2日時点での東証1部企業のEPSは1475円と、筆者の決算前の見通しであった1470円を早くも越えてしまっている。これはもう、バブル崩壊後の日経平均高値の2万2666円をタッチしにいく、とみるのは必然。近年の日経平均株価のフェアバリュー、PER14.9倍で考えると日経平均は21,976円となるものの、アベノミクス以降の平均PER15.6倍で考えれば23,010円が妥当株価である。さらには10月に出ている経済指標はどれも好調で、特に自動車販売などは日米とも予想外の好調でサプライズとなっている。日経平均の親分格であるNYダウも8週連続の上昇となっているのだ。 さて、今週の相場がどうなるか!? さっそく今週のストラテジーをまとめると、5日(日曜)現在、懸念されていた北朝鮮の挑発行動がない。もしかすると8日のトランプ大統領誕生1周年で、派手(水爆実験)にやらかす可能性があるものの、現時点でその兆候をつかんでおらず、すでに事実上の核保有国だということをアピールしながら、北朝鮮は対話モードに入ったのかと考えられる。また、トランプ大統領が5日に来日し日米首脳対談が行われるが、対米貿易赤字の削減は比較的進んでおり、大きな混乱はないとの見方がコンセンサスのよう。となれば、今週もジリ高で、バブル崩壊後の1996年6月の2万2666円をタッチしにいく流れとみたほうが自然。 また、もう1つ見逃せないのは、まさか?の10月30日、31日に「日銀のETF買い」が入ったこと。年間予算が6兆円(保有残高ベース)で現在1兆2826億円予算が残っており、相場の下落時に1日当たり739億円の買い入れが見込まれている中、今年度いっぱいまでで17発も実弾が残っていることになる(※前稿で予算の期限は3月末まで、と記したが確認不足であったことをお詫びしたい)。残すところ年内39営業日あるが、約2日に1回の買い余力がある計算。そこで出てきたのは「1日当たりの買い入れ額の増額があるのでは」という憶測。お役所なので予算は使い切る方向に動くと考えるのが当然。どちらにせよ、1日単位(前場)にでも下落しようものなら、日銀買いが入り、相場を押し上げる力となることは間違いない。 それでも筆者は、今週は新規買いに関しては様子見をさせていただく週としたい。世界景気回復の恩恵を受け、日経平均、NYダウともに今後も強い見通しであることは間違いないが、もう割安で買いたい、と感じる株(企業)があまりになさすぎる。今週からは米国下院で、税制改革の審議入りということもあり、今週は見(けん)でいき、相場の動きを丹念にウオッチする週としたい。来週からは四季報速報相場が始まる。個別株でサプライズがあった場合は、速報でお伝えし、週末に企業分析をさせていただく所存である。 また、日経平均の大きな節目である「2万2666円」到達による、相場急変(利益確定ラッシュ)にも備えたい。筆者は目安を5日移動平均線とし、現在でみると22,198円割れで日経ダブルインバース(1357)を資産の4割程度購入する予定だ。また、日経平均株価が2万2666円に達した際に、なんらかの異変を感じた際も、前述した株式を3割程度購入し様子を見る予定である。ただ、相場が急落しても一時的なもので終わる可能性が高いことは、前述してきた通り。今週はオプションSQがあるので、一波乱があれば今週かと思う程度である。
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VS松田元、記事削除仮処分申立事件ーー第2回審尋報告
本紙は今年5月から6月にかけ4回に渡りSAMURAI社の粉飾決算疑惑を報じ、そのなかで、「SAMURAI&PARTNERS」(4764。JQ。旧「デジタルデザイン」)の元取締役で、「オウケイウェイブ」(3808。セントレックス)の社外取締役、カリスマ投資家として著名な松田元氏(34.冒頭右写真)も関与していると指摘した。 さらに9月に入り、松田氏が2億5000万円以上の借金を返済しないことから仮差押を受け、貸金返済訴訟を起されていることを報じた。 これら計4つの記事につき事実無根だとして、松田氏が記事削除仮処分を申し立てた件の第2回目審尋が10月30日午前11時から東京地裁であった。遅くなったが1回目に続き、報告する。 今回は、第1回目審尋時、本紙が事実無根ではないとして出した答弁書や主張書面、証拠資料に対し、松田氏がいかに反論して来るかがポイントだった。 結論をいえば、松田氏が基本的に出して来たのは、本紙が粉飾決算疑惑があると記した、松田氏の会社「アズ」(東京都新宿区)とSAMURAI社との間のシステム開発費5000万円、それに月々432万円のその利用料(2年間)の契約がいかに打ち合わせをし、そして支払われたか(SAMURAI社の売上げとしてされたか)を示す資料だけ。しかしながら、本紙はその売上高そのものがなかったといっているわけではない。システム開発費名目などで支払われたが、実際はそのシステム開発などに意味がなかった=粉飾決算疑惑といっているので、本紙からすればその主張は粉飾がなかったとの証明にはならない。 また、この2回目の審尋において、松田氏も自分が2億5000万円以上の借金を返済しないとして仮差押を受け、貸金返済訴訟を起されていることは認めていることがハッキリした。同記事が削除対象にされているのは、その記事のなかに前に書いた粉飾決算疑惑のことが一言触れられていたからに過ぎなかった。
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<連載>宝田陽平の兜町アンダーワールド(646)「次なる噂の上場企業」
アクセスジャーナル本編で近年では「グローバルアジアホールディングス」(旧アイビーダイワ。プリンシバル・コーポレーション)、「郷鉄工所」など追及しているが、これら企業がほどなく株式市場から退場となったのはご存知の通り。また、「ストリーム」(3071。マザーズ)株の相場操縦事件では彼らの売買手法まで取り上げている。 そのストリームの件で逮捕された本多俊郎容疑者は、業績不振企業の増資で名をはせた故・西田晴夫氏の運転手で片腕だった。『ZAITEN』12月号でもその本多容疑者は「NFKホールディングス」(6494。JQ。郷鉄工に登場した松尾隆氏も。最近、怪しい動きも)、「クオンツ」(上場廃止)などの増資で暗躍し、その儲けたカネで一晩に200〜300万円も飲み代を使う豪遊ぶりだったと指摘している。本多容疑者の師匠であった故・西田氏も豪遊し、愛人には8億円持ち逃げされたというから、子弟関係はプライベートでも引き継がれていたようだ。 さて、ここまでは与太話で本題ではない。 2014年初頭、株価が約10倍に化けた銘柄がある。
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あの京都駅前問題土地の一部、ついに売却。米系ファンドがホテル建設へ(追加情報)
かつてあの「武富士」が地上げしようとして失敗。実に40年来シコっていた京都駅に程近い問題土地(約3300坪)の一部737坪が米系ファンドに売却され、いよいよホテル建設が始まるという。 10月28日の第一報の追加分をお伝えする。 京都市の土地利用の調整に係るまちづくりに関する条例第6条、7条の規程によれば、該当する開発を行う場合、事前に市に届け出し、周辺住民に説明会をしなければらない。 その説明会は昨11月6日に行われた。 上に掲げたのは、現地に掲げられたその説明会の概要。 それによれば、ホテル事業を行うのは「ウィンチェスター特定目的会社」(東京都千代田区)で、ホテルは地上9階地下1階。施行は「戸田建設」ですでに決まっていることがわかる。
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安倍首相補佐官後援会長企業の、千葉県市川市ネーミングライツ選定疑惑
ここでいう安倍首相補佐官(全部で5名いる)とは、薗浦健太郎衆議院議員(冒頭左写真)を指す(千葉5区。当選4回。麻生派)。 まだ45歳ながら、読売新聞政治部記者から麻生副首相の政策担当秘書を経て代議士に。そしていまやわが国の安全保障に関して安倍首相を補佐する将来の有望株だ。 その薗浦代議士の後援会長を務めるのは、企業警備「全日警」(東京都中央区)の創業者にして代表取締役会長の片岡直公氏(下写真)。 上場してないので知名度はいまひとつかも知れないが、グループ売上高は約500億円、社員は5000人を超え、「セコム」、「綜合警備保障」などに続き堂々業界4位。 そして疑惑が出ているのは、千葉県市川市が選定したネーミングライツ(命名権)。 ちなみに、片岡氏は市川市の大久保博市長、森田健作・千葉県知事(冒頭右写真)の後援会長も務めている。 さて、市川市は昨年11月、八幡市民会館のネーミングライツ・パートナーを募り、12月、全日警が選ばれ、現在、同会館には「全日警ホール」の名前が付いている。 疑惑が出ているのは全日警が受注した金額の低さだ。 市は契約料200万円(年間)、契約期間5年以上を希望した。これに対し、全日警が示し、受注した契約料は半分の100万円に過ぎなかった。「全日警は年間100万円で10年を希望。それだと市が受け取る総額は同じ1000万円。確かに、手を上げたのは全日警だけだったとはいえ、市の希望額の半額なら他にも手を上げる企業はいたはず。ですから、再度、価格を下げて募集をすべきだった。なぜ、そうしなかったのか?」(地元市民有志) この有志が疑惑に思うのは、他にも理由があった。 市川市は昨年12月、この八幡市民会館(上横写真)の機械警備業務委託(昨年12月28日から5年間)をこちらは一般競争入札で選ぼうとした。 これには全日警に加え、警備業界1位のセコム、綜合警備保障も手を上げた。ただ警報機を設置するだけなので月額は格安。セコムは1万7600円、全日警は2万2000円、そして綜合警備は3万2400円を提示。ところが、「仕様の誤り等により、公正性を欠く入札になった」として市は入札を取り消した。
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「ウルフ村田」に投資家からインサイダーとの指摘も出る銘柄
最近、本紙でも「ストリーム」相場操縦容疑で逮捕された者と会っていたと書かれ、もはや仕手株のただの「煽り屋」との評もある著名な株式トレーダー・ウルフ村田(本名・村田美夏)だが、つい最近、ある銘柄に関する彼女のツイッター上の書き込みを巡り、ネット上で「インサイダーではないのか?」「証券取引等監視員会に報告した方がいい」旨などの書き込みがなされ、ちょっとした話題になっている。確認してみると、確かに疑問に思えることがあるので取り上げる。(冒頭写真は問題の銘柄チャート。解説は以下に)
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<新連載>「AJアラート」発令(第2回)「資生堂」「ヤフー」「SGホールディングス」
この新連載では本紙独自のネットワークで入手した情報を元に分析し、上場企業それも主に大企業を対象に、「財務諸表から見えないリスク」の観点から、[ポシティブ](投資して安心)、[ニュートラル](?)、[ネガティブ](投資に不安)に3分類し、注目すべき各1社=計3社を適時、取り上げていきます。 この「AJアラート」発令の狙いについては、すでに<予告>を出し、そのなかで詳しく説明していますので、そちらを是非ご覧下さい。 なお、[ネガティブ]はむろんですが、[ニュートラル]も今後の変化次第では容易に[ネガティブ]指定になり得ます。また、企業も“生き物”ですから、今回は[ネガティブ]でも今後の状況次第では[ポシティブ]指定にもなり得ます。当然、逆に[ポシティブ]に指定した企業が一転、[ネガティブ]になることもあります。 したがって、1度取り上げても、その変化次第でほどなく再度、同じ企業を取り上げることもあります。[ポシティブ]「資生堂」(4911。東証1部) 従来の企業に対する投資家の判断基準は有価証券報報告書、決算短信、業績予想、業務提携や新規事業の企業IRなど「財務情報」が主だったが、近年はESG(環境・社会・ガバナンス)を始めとした「非財務情報」がリスク管理という視点からも重要性を増し、欧州を中心にその適切開示が求められるようになっている。そして、いまや企業価値の説明要因に占める非財務情報の割合は8割ともいわれているほどだ。 その点、わが国企業はまだまだ遅れているものの、大手企業はさすがに取り組み出し、例えばNTTのHPを開くと「社会環境活動・災害対策」、トヨタ自動車だと「CSR・環境・社会貢献」と題した一大項目が設けられている。さすがだが、しかしながら、資生堂のように投資家情報のなかにズバリ、「ESGに関する非財務情報」と題した専用コーナー(IRライブラリーのなか)が設けられている例はまずないのではないだろうか。 こうした先進的な取り組みの企業は風通しがいいだけに良い人材、良い企画が集まり、長期スパンで見た場合も期待できる傾向にある。 11月1日、資生堂は米国の化粧品子会社「ベアエッセンシャル」の販売不振で「のれん代」などの減損処理を実施し四半期で655億円の特別損失を計上すると発表。これだけ見れば、短期的にはむろんマイナスだろう。
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「ポスト加計」ーー国際医療福祉大学の病院で診療トラブル
11月10日、あの「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設につき、諮問機関の大学設置・学校法人審議会から認可するようにとの答申が出て、「国民の理解を得られず、到底許せない」(立憲民主党の福山哲郎幹事長)などと野党が反発を強めている。 その加計学園と、認可の過程がそっくりで、「ポスト加計」とも指摘されている、こちらはすでに認可を受け今年4月、千葉県成田市に医学部を開設した「国際医療福祉大学」(栃木県大田原市。高木邦格理事長=下写真)の付属病院で信じ難い診療トラブルがあったことが、患者当人の告発で明らかになった。 トラブルが発生したのは今年3月16日未明のこと。 自営業者のW夫婦は、栃木県太田市に出張で出かけた。 そして、宿泊費を安く上げるために市内のラブホテルに宿泊しようと部屋に入ろうとしたところ、なぜか空いているはずの部屋に男の姿が。ビックリした50代奥さんが後ずさりした際、誤って階段から落ち全身を強打。一時、意識不明になり、救急車で最寄りの国際医療福祉大学付属病院(冒頭写真。栃木県那須塩原市。353床)に救急搬送された。 幸い、すぐに意識は回復。脳にも異常は見られなかった。しかし、骨折を見過ごした結果、治療が遅れ、左手に後遺症が残ることになったというのだ。「妻は両手の痛みを訴えた。にも拘わらず、当直医は左手のレントゲンを撮らず異常無しと診断した結果です」(夫) いくら救急搬送とはいえ、患者本位の診療からいえば本来あってはならないものの、言った、言わないで、そんなトラブルは現実にはかなりあるのかも知れない。 本紙がさすがにこれは酷いと思ったのは、その診療の際、X線、CTを撮るため、病院側スタッフが奥さんのペンダント(下写真)を外したが、その十字架状のヘッド部分を紛失してしまったにも拘わらず、謝罪も、まして補償もせず、半年以上も放置していた事実。「我々は横浜に住んでいますので、話し合いに行くだけでも時間もコストも大変。まして、妻は治療中。ところが、ペンダントの件は病院側のミスを認めながらも、“無くなったものは仕方ない”“警察に訴えれば”と開き直る有様。診療の件に関しても、担当医は“左手も痛いと聞いてない”と虚偽答弁。その後、その担当医は“もう病院にはいない”として話し合いに出て来ないんです」(同) しかも、ペンダントの件は、X線検査の際、首の部分にハッキリ映っていたそうだが、後日、請求し送られて来た映像のなかにはそのX線写真が含まれておらず、証拠隠滅を図った可能性さえあるというのだ。「話し合いが一向に進まなかったのは、病院側は、“お伺いを本部に立てているが返事が来ない”といっていたから。ところが、後日、それは虚偽だったことが判明し、病院側はそれを認めました。こちらが痺れを切らして諦めるのを、ひたすら時間稼ぎして待っていたとしか思えません」(同) 以下は、本紙の質問に対する病院側の回答(文書で来たものを一部要約)。
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「国際医療福祉大学」と高木邦格理事長が本紙を提訴
「国際医療福祉大学」(栃木県太田原市)と高木邦格理事長(下写真)が、本紙と山岡個人に対し提訴して来た。 本紙が掲載した「『『国際医療福祉大学』かーー『東芝病院』売却巡る水面下の攻防」(今年4月29日)と、「『ポスト加計疑惑』――同じ構造の『国際医療福祉大学』医学部新設認可」(同5月26日)の2つの記事につき、事実無根で名誉毀損に当たるとして、総額5670万円の損害賠償と謝罪広告掲載を求め東京地裁に起した。 第1回口頭弁論期日は12月6日(水)午前10時(419号法定)。 掲載されてから提訴まで時間を要しているのは、この間、東芝病院の記事に関しては記事削除要請がありその水面下での攻防があったこともある。 しかし、今この時期というのは、民主党が「ポスト加計」として追及する姿勢を見せていたものの、先の衆議院選挙でも自民党が大勝したことで「加計問題」が信任を得たとして逃げ切れる=ならば「ポスト加計」=国際医療福祉大学の医学部開設に関しても国会で騒がれないだろうとの判断からなったのではないか。 それから、先の国際医療福祉大学病院での診療巡るトラブルの取材の件も1つの契機になっていると思う。国際医療福祉大学側は提訴すれば記事にしないと思ったのかも知れないが、本紙はそれほどやわではない。提訴に怯まず、今後も伝えるべきと思ったことは伝えていく。 国際医療福祉大学グループが高木理事長一代でこれほど急成長できた背後に政治力があるのは間違いなく、本紙はこれを機会にその闇の部分を徹底して追及していくつもりだ。是非、関連、告発情報をお寄せいただきたい。
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≪連載(59回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(11月13日〜11月17日)&MY注目銘柄
■プロフィール 投資歴18年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫ 先週金曜日の日経平均株価の終値は22,681円と、木曜日に高値圏であれだけの大波乱があっても、先週比+142円の上昇で引けた。…ところが、土曜朝の日経平均CFDを確認すると22,468円と、約−200円も安く押し戻されて帰ってきている。 この理由をメディアは、米国の「税制改革法案成立の行方に関して不透明感がでた」と解説する向きが多く、主には上院と下院で異なる内容でまとまったことを上げているが、ようは実施を2019年に先送りするか否かということだけで、目玉となる法人税の引き下げの35% →20%のラインは崩れておらず、筆者は現状でてきている内容なら問題ない、と受けとめている。 しかし、先週木曜日の日経平均は久しぶりに血肉沸き立つ展開となった。日経平均の高値は2万3382円、安値は2万2523円。日中値幅は859円! 売買代金は4兆9935億円! 筆者は当日、比較的場を見る時間があったため(携帯端末2台でチラ見程度ではあるが)、後場が始まる前に日経平均先物が崩れ始めたことで、前場の大盛り上がりがSQ前の買い仕掛けの「バイクラ」だった可能性があると感じ、後場に入って「日経ダブルインバース」(1357)を余力資金の3分の2で打診買い → 一時踏み上げられるも2万2900円台のマイ転直前でリカク → 日経マイ転をみて即座に日経ダブルインバース(1357)を全力買い →日経平均2万2600円あたりでリカク → 翌日にマイナーSQを控えていることからこのままの株価では終われない筋が頑張るだろうと予測を立て、余力資金の3分の2で「NF日経レバレッジETF」(1570)を購入 → 引け成りで決済と、これまでのうっぷんを晴らす会心の勝利となった。 さて、個人の取引はおいて、ここから相場がどうなるか? 気になっているネガティブ要因は3つ。 まずは11月9日に、前月比−8.1%と発表された「9月機械受注」。10月〜12月に関しても、受注見通しは前年同期比−3.5%の見通しとなっており、7月と8月に好調だったのが一時的なものではないか? という疑問符がついた。結果だけみれば7月〜9月は前年同期比+4.7%なのでもちろん順調なのは間違いなく、外需などの指標をみると旺盛な受注となっており、振れ幅の大きな指標だということも鑑みそれほど気にする必要はないかもしれないが、この指標は企業の設備投資と直結しており、先行きの見通しが暗いことはたいへん気になる。 次は「北朝鮮問題」。なぜなのか? 北朝鮮は9月8日を境に挑発行為を止めてしまっている。トランプ大統領のほうの口撃は、まるで止まる兆しがないことから、北朝鮮サイドの2ヶ月間もの沈黙は非常に不可解だ。この問題に関しては、韓国の国債のCSDスプレッドをみるに越したことはないがブルームバーグのサイトで確認できなくなってしまい未確認である。 最後に、日米ともに企業決算が今週で終わること。決算があまりに良すぎたこともあり材料出尽くしとはならずに、循環物色になる、というのが現時点での見立てだが、例年は11月下旬まで株価の沸騰は一服することが多い。 ここからはポジティブ要因を! まずは日経平均株価が、バブル崩壊後の戻り高値2万2666円を明確に越えてきたこと。越え方に関しても「あっさりと突き抜けた」感が強く、強さを感じるとともにこれで需給に関してもよくなった。 次になんといっても日経225企業の「業績」を挙げたい。2017年度3月期決算が終わった段階で、2018年度3月期決算(決算期の異なるものもこのカテゴリーに入れる)での日経平均EPSは約1400円程度だったはず。これが、2Q決算も出揃ってきた、11月10日現在のEPSは1509円にもなっているのだ。ようするに2018年度3月期通期決算では+7.79%程度の増益となった計算だ。…ところが、マネースクウェア・ジャパンが11月10日まとめた分析記事によると、11月9日時点で発表を終えたTOPIX採用企業の上期の純利益は前年同期比+22%、日経平均採用銘柄だと前年同期比+30%にもなっているという。少し前ではあるが11月に入って大和証券が出したレポートをみても、主要200社ですでに決算を終えた約3分の2の企業の上半期(4〜9月期)の経常利益は、従来予想から13%上振れしているにもかかわらず、通期予想は4%の上方修正に留まっていると指摘していた。 となれば、日経平均EPSはどこまで切りあがるのか? 2018年3月期決算企業の予想EPSに関して、現在コンセンサスをだいぶ切り上げて、約16〜18.8%程度の増収予想になっている。仮にここまで上がって着地できれば、日経平均EPSは1400円×116% or 118.8% = 1624円〜1663円となる。 現在の日経平均EPSは、足元、2Q決算が終わった段階で1530円程度まで上がる予想が多くなっており、順調なら下期の決算で上期と同じ+130円程度の上乗せが見込めるというわけだ。すでに一部のアナリストからは、2019年3月期決算時にはEPSが1700円に届くという声も出てきている。現在の2019年度3月期決算は、+8%程度の増益というのがコンセンサスだろうか。 日経平均株価のPERは、アベノミクス以降15.6倍平均であるので2018年3月期の最終予測からみた日経平均株価は2万5334円〜2万5943円となる。平時の下限であるPER14倍で考えても2万2736円〜2万3282円となり、現在の先物CFDの終値2万2468円を上回っているのだ。 しかし、これでもまだ足りない可能性があるというのだ。というのも、アナリストの業績予想の前提は、今期の売上高成長率は+3.2%、為替は110円/ドルが前提。この計算式で2018年度3月期決算の日経平均EPS伸び率を+13.1%としていたと記憶している。だが、4月〜10月までの売上高は、実績値で+4.5%程度の伸びを示しており、為替に関しても現在113.57円/ドルまで円安が進んでいる。日本企業は1円の円安で1%程度の増益になる、とのことで、米国の利上げが12月に確定的となる中、為替水準は円安バイアスがかかっていることは間違いないことから、さらなる上乗せが見込まれるのだ。 また、11月末からは、10月末に決算を終えたミューチュアルファンド(米国投資信託)や、ペンションファンド(年金)が来期に向けた投資資金を入れてくる時期。日本企業の中間決算での配当を原資に、再投資も行われる見通し。本稿35回目(5月22日〜26日)にも記載したが、2000年〜2016年までの17年間の「月間パフォーマンス」をみると、11月+2.89%、12月+3.66%となっているのだ。 さて、そろそろ今週のストラテジーに移る。前週は9月8日から2ヶ月間も押し目を与えず上がりきった中で、高値圏から崩落した週となり、通常なら今週は慎重に立ち回るべきだろう。ただ、前述したように日本企業のファンダメンタルズは、極めて強いことがはっきりしてきており、よい押し目を作ってくれた感は強い。週明けは、先週の波乱展開を引き継いで、値が下に飛びやすい相場環境かもしれないが、押し目をどんどん買っていって問題ないと考えている。また、11日米国抜きで進められた「TPP11」の大筋合意も追い風だ。関税削減や、関税撤廃の項目は多く、海外売上比率が高い日本企業による輸出拡大で、来期はさらなる業績浮揚となる可能性が高い。 今週、気をつけなければいけないのは、17日の米国SQ。日本よりも株価に割高感が強い米国市場のダウ(横写真)とナスダックは、崩れだしたら大きな崩落となり日本市場にも大きな影響を及ぼす。たいていヘッジファンドの売り仕掛けは、火曜・水曜に行われるため(※日本は木曜日に波乱になった)資産の2割〜3割のヘッジポジションを持っておくことをオススメしたい。 また、米国の税制改革法案は、いまのところ大きな修正がなされる展開になっていないが、そうなってくると、法案が通った際の材料出尽くしでNYダウ・ナスダックの大きな反落が起きそうで怖いところ…。NYダウと、ナスダックに関しては門外漢なのではっきりいえないが、明らかに高値圏だという見立てに間違いはないように思える。
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<連載>宝田陽平の兜町アンダーワールド(647)またまた「ウルフ村田」が煽る銘柄=今度は「ピクセル」
「ストリーム」の相場操縦で何人も逮捕されたものの、逮捕を免れた仕手筋連中は相変わらず「GFA」(8783。JQ)、「ピクセルカンパニーズ」(2743。JQ)などを“煽り屋”を利用して煽っている。 その有力な“煽り屋”の1人が、かの「ウルフ村田」だ。 関係者がピクセル株を買い集めたのは10月下旬のこと。 平均取得価格は250円程度。 同社株は10月23日から、これというプラス材料もないし、継続前提に重要事象にも拘わらず出来高が増え急騰し出した。これは仲間内でやったと思われ、それで一般投資家に注目させた上で11月に入りウルフ村田が登場。LINE、ツイッターを利用して何度も煽り、一般投資家に提灯をつけさせた模様だ。 週明けの本日はついに一時、倍以上の500円を突破している(横写真=ピクセルの株価チャート)。 この間のウルフのラインにおける主な煽り具合は以下の通りだ。 どうやら、同社がマカオにおけるカジノ見本市に出店していることを材料に、シャブによる逮捕で世間を騒がせた酒井法子まで利用しているようだ(冒頭写真は昨年の同見本市でのもの。左人物は見本市を主催するマカオの娯楽設備協会会長。背後にピクセルの文字が見えるのは、ピクセルブース内で同会長と酒井がトークしたためで、同社が招いたわけではない)。
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「ストリーム」相場操縦事件、松浦グループ3名のその後ーー小池知事との意外な接点も
本紙で徹底追及している、警視庁捜査2課がやっている、インターネット関連会社「ストリーム」(3071。マザーズ。東京都港区)の株価を不正につり上げたと見られる事件だが、これまでに計6名が金融商品取引法違反(相場操縦)容疑で逮捕されたのは既報の通り。 先に逮捕された株式ブローカーの3名が再逮捕されたことはお伝えしたが、追加逮捕された松浦正親容疑者(45。10月15日。冒頭写真)、佐戸康高容疑者(58。10月17日)、四方啓二容疑者(46。10月18日)の現状はどうなのか? なお、再逮捕の件をお伝えした際、関係者によれば、笹尾明孝容疑者は1回目逮捕の件に関しては不起訴(起訴猶予)とも報じたが、それは他の2名も同様の模様だ。 さて、松浦大助グループと見られる3名の方だが(小池百合子東京都知事との接点も以下に。証拠写真も)、
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本紙がいち早く報じた拉致事件でーー任侠山口組・織田絆誠代表の自宅を捜索
大手マスコミの一部が既報のように、京都府警は11月10日、「任侠山口組」のトップ、織田絆誠代表(51)の兵庫県神戸市内の自宅(冒頭写真)を家宅捜索した。 これに先立つ6日には、織田代表が初代組長を務めた、任侠山口組直系「二代目織田興業」(大阪市北区)の事務所も捜索している。 容疑は2013年3月から行方不明になっている大手貸金「鳳」(京都市右京区)のオーナー・松本貞雄氏(失踪時68歳)の失踪事件に関しての逮捕監禁容疑だという。 実はこの件、失踪直後に本紙では報道。その約1年半後には「大物の暴力団幹部が関与しているとの有力情報があり」とも、さらに16年6月には「山健組」(織田代表は分裂前まで同組)の名前も本紙では取り上げていた。
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<記事紹介>「安倍首相宅放火事件の深い闇」(筆者・山岡俊介。『月刊タイムス』12月号)
11月10日発売の総合誌『月刊タイムス』最新号に、安倍晋三首相の地元、下関市の自宅が放火された事件の背景につき、本紙・山岡が取材した概要が掲載されている(3頁記事)。 本ネットでは、すでに報じているものの、それは音声録音を公開したもので、その概要をコンパクトに、しかも紙媒体に載ったのは始めてのことだ。 古い事件ではあるが、そもそもこの事件の背景が大手マスコミで報道されていたら、安倍氏は首相になれなかったのではないか、と思うほどの質を秘めている。また、奇しくも先の衆議院選挙中、下関市の地元事情通の間では、安倍首相の代理で選挙活動を行った昭恵夫人が一切マスコミ取材を拒否するなどした不可解な行動の理由に同事件で逮捕された小山佐市の出所説が囁かれていたこともあり、この事件を今も問う意味は十分あると思い、書かせてもらった。 是非、ご覧いただきたい。 また、関連情報をお知りの方があれば、是非、本紙にご一報いただきたい。
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VS松田元、記事削除仮処分申立事件ーー第3回審尋報告+「被害者の会」の陳述書紹介
本紙は今年5月から6月にかけ4回に渡りSAMURAI社の粉飾決算疑惑を報じ、そのなかで、「SAMURAI&PARTNERS」(4764。JQ。旧「デジタルデザイン」)の元取締役で、「オウケイウェイブ」(3808。セントレックス)の社外取締役、カリスマ投資家として著名な松田元氏(34。冒頭右写真)も関与していると指摘した。 さらに9月に入り、松田氏が2億5000万円以上の借金を返済しないことから仮差押を受け、貸金返済訴訟を起されていることを報じた。 これら計4つの記事につき事実無根だとして、松田氏が記事削除仮処分を申し立てた件の第3回目審尋が本日午前11時30分から東京地裁であったので、第2回目に続き、報告する。 本紙側は予定通り、粉飾決算疑惑を証言した矢野健太郎氏の取材時の証拠の録音記録を2回目審尋時に続き、もう1つ追加提出。それから、松田氏が高額のカネを取り、特定銘柄を紹介するなど講師を務めた私的勉強会「平成松下村塾」などの参加者(=一般投資家)が結成した「被害者の会」代表が書いてくれた「陳述書」も提出した。さらに、粉飾決算疑惑が指摘された直後、SAMURAI社の監査法人が、複数企業の有価証券報告書虚偽記載などを理由に業務停止の処分を受けたことがある「清和監査法人」(現RSM清和監査法人)に替わっていることを示す資料も提出した。 なお、「被害者の会」代表の陳述書は、これまで一般には知られていない松田氏の実態を浮き彫りにしていると思うし、今回、争点になっているSAMURAI社にも関わることなので、以下に全文を公開する。 なお、この第3回審尋では、両者の主張はほぼ出尽くしたとして、裁判官から和解案が出された。 それは、問題とされる記事の表現を弱められないか、また、本紙では松田氏を直に取材していないので、その言い分を追加記事で載せられないかというものだった。これに対し本紙側は、表現を弱めること、また、松田氏にも反論権はあるので追加記事を載せる余地はあると答えた。松田氏側の六川浩明弁護氏も、最終決断はむろん当事者たる松田氏がすることだが、その方向で検討するとのことだった。 そこで、第4回目の審尋が11月29日(水)午前10時半に設定された。松田氏が和解拒否なら次回で審尋は終わり決定待ちに。和解を受け入れるなら、次回までに和解の内容を松田氏が提示して来ることなった。その場合は和解内容のすり合わせがあるので、さらに第5回目の審尋も設けられることになる。
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「黒田電気」株売却で大儲けとなる村上世彰氏
「黒田電機」(7517。東証1部)といえば、本紙でも既報のように、15年1月にあの村上世彰氏が影響力を持つ会社などで同社株を買い集め大量保有報告書に登場すると、同年8月の臨時株主総会で4名の社外取締役を送り込もうとして否決に。当時の保有割合は16%ほどだったが、その後、約35%まで買い増しし、この6月の定時株主総会では村上氏側推薦の者が社外取締役に就任し、その動向が注目されていた。 ところが、この10月31日の黒田電気IRのように、投資ファンド「MBKパートナーズ」(東京都港区)傘下の「KMホールディングス」が同社株の公開買付け(TOB)を11月2日(〜12月15日)から実施することになった(買付け予定数下限は50・3%)。 黒田電気は業績悪化のなか、MBK傘下で抜本的な立て直しを図るとして取締役会で賛同し、このTOBを株主に推奨もしている。また同日、TOBの後、自己株公開買いも行うと発表(上限は28・3%)。したがって、上場廃止は必至の状況だ。 こうしたなか、気になるのが村上氏側の保有株式売却の皮算用だ。
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元組員議員がラインで女性を呼び出し暴行、傷害、ストーカー
座間9遺体事件は、フェイスブックを始めとするSNSの負の部分を改めて浮き彫りにしているが、奈良県内でもラインを悪用し女性を餌食にしたと思える事件が発生、県警も関心を寄せている。 座間の事件では既報のように、ツイッターでは「首吊り士」などというふざけた匿名を使っていたわけだが、こちら奈良の事件は実名、しかも正式な“議員”という身分を名乗っていたのだ。 腐っても“議員”だ。 だから、被害女性も隙を作ってしまったようだ。 ところが、何とその男は全身入れ墨(ただしスジ彫り)、そう、元暴力団組員だったのだ。むろん、反省し出直していたのならいい。ところが、現在も現役の連中と交流があったのだ。 確かに、逓信大臣まで務めた小泉進次郎衆議院議員の祖父のように、昔なら全身入れ墨なんてケースもあっただろう。もう少し最近なら、浜田幸一元衆議院議員のように自ら「千葉のヤクザ」の出身と公言するようなケースも。だが、今日日、いくら地方議員とはいえ、“元”はさすがに珍しいのではないか。 しかも本紙が得ている情報ではこの男、少なくとも服役3回。その1つは殺人未遂で懲役7年。左小指は切断されている。
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≪連載(60回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(11月20日〜11月24日)&MY注目銘柄
■プロフィール 投資歴18年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫ 先週金曜日の日経平均株価の終値は22,397円と、先週比−284円となったが、土曜朝の日経平均CFDを確認すると22,310円まで落ちているので、1週間で−371円も安くなった格好だ。先々週の木曜日から先週の木曜日まで、1年半ぶりとなる6日連続下落となり、一時高値から1,407円も下落したということで、押し目もないほど異常に強かった地合いは終わり、すっかりニュートラルモードになったとみるか!? 現時点でその答えは「否」だと考えている。 なんといっても9月8日の終値19,275円から11月9日の高値23,382円まで、一気の4107円もの大上昇があったわけで、3分の1程度の下押しで短期調整は終了。ここからは日本企業の2018年度3月期の業績を見極める相場つきとなり、そうなれば上向きのバイアスがかかっていかざるをえない、と考えている。 その根拠は、先週に引き続き、日経平均の18年度3月期決算の「予想EPS」。まずは予想EPSの根幹となっている日経新聞報道から。14日、同社が主要企業1580社の2017年上半期決算を集計した結果、2018年度3月期決算は前期比6%増、純利益は17%増になると予想している。本来なら、この17%の数字をどこまで上回って着地するかが予想のキモだと言いたいところだが、2018年度の企業決算の期初予想は、+5.9%程度であったはず。それがきちんと17%増のEPS(17%−5.9%=11.1%増)となっていないではないか。というのも期初の時点で日経平均EPSは1400円だった。11月17日現在、決算が出揃った現時点での日経平均EPSは1534円。ということは+9.57%の上昇でしかない。この差分は1.53%(1400×1.53%=21円)存在している。…ということは14日の日経新聞の報道と、2018年度3月期決算の予想EPSを算出している担当者が異なるということなのだろうか? まぁ疑問は残るが、話を進めたい。 次は産経新聞。15日付の報道によると、14日までに決算を終えた上場企業の2018年3月期決算の最終利益合計は、前期比で8・8%増となり、2年連続で過去最高を更新する見通しと報じた。また9月中間決算の最終利益は前年同期比19・2%増で過去最高となった。こちらはあくまで会社予想の報道だ。 最後に読売新聞。15日までに出揃った東京証券取引所上場企業(金融を除く、全体の99.8%)の2017年9月中間期の売上高は、前年同期比で9%増、営業利益は同約15%増、最終利益も同約23%増となり、18年3月期の業績予想を上方修正する企業は300社を超えたとあった。 ここまででわかることは、(1)東証1部の企業2029社(9月末時点)のうち、まだ300社しか上方修正を出していないこと。(2)また上方修正を出した企業も、下期の下方修正など言語道断だと、控えめな上方修正しか出せていないこと。(3)また上方修正を出した企業も、中間決算での絶好調決算(19.2%〜23%増)には遠く及ばない、控えめな通期予想を出してきていることだろう。筆者の予想では、昨年の下期においてはそれほどEPSの伸びがなかったことと、また下期は着地がみえてくるなかで上方修正を出しやすい環境だということを鑑み、最低でも上期と同水準、基本はそれ以上の利益の伸びを予想し、堅めに考えて2018年度3月期のEPSの上昇率は前年比+20%増を予想している! すると、日経平均のEPSは1400円×120%=1680円となるのだ。まぁ、ここまで企業決算がよければ世界経済が堅調だということで、設備投資をますます伸ばすと考えるのが自然で、人件費にも振り分けをするだろう。そうなれば当然EPSは若干下がるとは予見できるが…。 さて、未来の話はさておき、決算が出揃った現時点での日経平均株価のEPSは、11月17日現在1534円にまで伸びている。よって日経平均のPERは14倍〜16倍台を推移するのが常であり21,476円〜25,925円までとなる。アベノミクス以降の平均PER15.6倍で考えると23,930円が妥当株価。もちろん前述したストーリーを加味して考えるべきで、11月9日の日経平均高値23,382円が、もはや通過点でしかないことを理解していただければ幸いである。 懸念点は、変わらず「税制改革法案」。米下院は16日、税制改革法案を本議会で可決(賛成227:反対205票)したが、今後の上院での可決状況はまったくよめない。というのも上院は共和党52人、民主党48人の情勢で、3人の反旗があればもろくも否決となるのだ。また、上院と下院では、異なる税制改革法案となっており、そのため税制改革法案の成立には(1)上院での法案可決→ 上院案と下院案のすり合わせが必要になってくる。とはいっても、上院での審議入りは27日の週からとなりそうで、税制改革法案に関しては今週の波乱はなさそう。 もう1つの懸念点が為替。ここにきて円高が進行し、11月18日現在のドル円は112.03円と、112円を挟む攻防となっている。ヘッジファンドのCFTC(※テクニカルの項目で後述)の円売りの枚数は今年最高になっていることから、もはや円高圧力しか感じない状況。ドル円は重要で、ヘッジファンドは円売りとセットで日経平均先物を買い上げるので、日本企業の実態がよくても、買い余力があるのかは注目ポイントだ。また、日銀短観の9月をみると企業の下期想定レートは109.12円。さすがにここまで円高はないとは思うが、こうなると企業決算に影響してくるだろう。 ただ9月8日から、ここまで順調に売り越してきている個人投資家に関しては面白い報道があった。11月14日のブルームバーグによれば、証券口座の現預金にあたるマネーリザーブファンド(MRF)の残高は、10月末時点から7%増の8333億円増えて、13兆1744億円に達し、日経平均の急騰局面での投資信託の解約や、利益確定売りがかさんでいるもよう。前述したように、「現在の日経平均株価が割安だ!」ということが周知されれば、個人投資家の買い需要は相当なものになりそう。 さて、今週のストラテジーに移りたい。まず波乱があった際は、先週25日線が下値のメドとして機能していたので25日線である22,058円を意識しておきたい。ただ、下げた局面は買っていくのが本稿のシナリオである。基本線は、近いところで、先週の金曜日に一時つけた2万2752円のラインを捕らえに行くとみるのが現実的ではないだろうか。先週の本稿(59回)にも記したがそのまま転載させていただくと、11月末からは、10月末に決算を終えたミューチュアルファンド(米国投資信託)や、ペンションファンド(米国年金)が来期に向けた投資資金を入れてくる時期。日本企業の中間決算での配当を原資に、再投資も行われる見通し。本稿35回目にも記載したが、2000年〜2016年までの17年間の「月間パフォーマンス」をみると、11月+2.89%、12月+3.66%となっていることは見逃せない。
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