■プロフィール 投資歴18年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫ 先週金曜日の日経平均株価の終値は21,799円と、先週比+389円(前稿▲469円⇒ ▲200円→ +91円→ +788円→ +496円→ ▲7円→ +292円→ ▲266円→ ▲419円→ ▲517円)と3週ぶりにプラスとなった。金曜夜の日経平均先物は、米中貿易通商協議の進展から、一時22,240円まであっての22,040円(※土曜時点)で引けた。 先週金曜日の米中通商協議は、トランプ大統領がツイッターで煽りまくった効果で、ダウは一時500ドルを越える大暴騰になったものの、引け間際に明確に「部分合意」である可能性が浮上し下げ足を強め、+320ドル高で引けている。 結局、中国は15日からの「第4弾の追加関税約・2500億ドル、25%→ 30%の引き上げを見送ってもらうかわりに、米国農産物の購入を拡大する」だけで合意を勝ち取っている。これまで「部分合意などない、あるのは完全合意だけだ!」と、息巻いていたトランプ大統領は、「これは第一弾の合意で、第二弾に向けてさらなる協議が進む」とのたまわっているが、眉唾ものだろう。しかし、市場はそれを理解していながら、爆上げを演出した可能性が高い。 その根拠は、先週に決算発表を終えている、韓国・サムスン電子(横左写真。※日足)と日本・安川電機(6506)の決算後の値動き(※日中足)に現れている。サムスンに関しては、業績をみてもコンセンサスを上振れ、受注状況をみてもわかりやすく反転している様子がわかる。これを受けて日本でも「SUMCO(6677)」が、出来高を大量に伴いながら爆騰している。しかし、FA関連の「安川電機」は、決算発表後の先週金曜日に、業績の大部分を担う中国市場が弱いままで、よくここで切り返したものだと驚いた。米中通商協議前の悪地合いだったのだ。 特に半導体に関しては、ポジティブなニュースが続々出始めている。 市場調査会社IHSの見立てでは、「世界の半導体市場は、4480億ドルと今年の4228億ドルから+5.9%成長する。各国で5G通信が半導体市場を再びスーパーサイクルに導く」としている。2018年は4856億円と、山はかなり高いが、直近6月の328億ドルを底に、8月には342億ドルに増加と、持ち直しの動きが鮮明に出ており、ここから需要は長期化しそうだ。 半導体市場は、将来的に渡って5G通信に伴うIOT、AI、自動運転、ロボット、データセンターなど、高成長が約束された市場だということは、買い方に安心感をもたらす。そもそもこれからますます情報社会となっていき、半導体まみれの社会になっていくのだろう。あとはいつ買うか!? それだけが重要だ。(横写真=「産経ニュース」10月11日14時24分記事より) さて、今週のストラテジーへと移りたい。 現在14日(祝)PM18:30のNYダウの先物や日経平均先物は、「中国は第一弾の合意署名前にさらなる交渉を希望する」との報道で、弱含み始めている。これにトランプ・ツイッター砲などがさく裂すれば、かなり大きなマイナスになりそうで、週明け火曜日はまず米中貿易摩擦の行方に気を配ることから始めたい。 今週の山場は、米国による「対EU報復関税」と「ブレグジット」、そして「企業決算」である。まず、「対EU報復関税」から。18日(金)は、航空機製造メーカー・エアバスへの補助金がWTOの規約違反だと主張する、米国による対EU報復関税の発動予定日だ。これが発動されてしまうと、米国のボーイングにも同様の報復関税が待っていそうで、相場の火種となる。さすがの米国をしても世界各国と喧嘩し続けるのは得策ではないと思うが、選挙前のトランプ大統領は無理をしそうで怖いところだ。※今週は、注目銘柄アリ
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